長野県最北端に位置する栄村。豊かな自然に恵まれ、その自然とともに生活する文化が今も色あせることなく続いています。村内には31集落があり、小滝はその中でも比較的小さな集落でブナ林と田んぼに囲まれており、現在13軒で営んでいます。ここでの暮らしは移り行く季節を五感で感じられ、自然とともにゆったりとした時間が昔と変わらず流れています。野菜の多くは自ら栽培してまかない、子どもから年寄までが仲良く協力し合いながらイキイキと暮らしています。
私たちのルーツを探ると『300年』がキーワードにあがります。
私たちの祖先は、300年前に水不足によって一度はこの地を離れたそうですが、この地への強い想いや苦労を重ね、はるか遠くの深山から小滝せぎ(水路)をなんとか開設したことで、再び生活を営むことができるようになり今に引き継がれてきました。
300年前に開設した小滝せぎは、現在でも稲作や雪を消す生活水に使われており、途切れることの無いように維持管理されています。
>> H23.3.12
私たちの集落を震度6強の地震『長野県北部地震』が襲いました。
家屋への被害に合わせ、小滝にある水田7haのうち5haが被災、300年間守られてきた小滝せぎも大きな被害を受けました。
震災前に17戸あった住宅は13戸に減少したことで、集落の家並みは物寂しくなりました。また、集落人口が激減したことにより、集落維持活動への不安はぬぐえませんでした。
しかし、震災により失ったものばかりではありませんでした。震災直後から来ていただいた、たくさんのボランティアの方々のご協力により、再び小滝せぎに水が流れることになりました。また、私たちは震災後から何度も何度もこれからの小滝集落について話し合ったことで、これまでにも増して一致団結することができました。その結果、2年半の歳月をかけて小滝震災復興計画ができあがりました。
その中で、「この地で300年続いてきた想いや営みを300年後に引き継ぐ」という夢とロマンを掲げ、田んぼを守りおいしい小滝米を作ること、古民家を拠点として集落外の方と交流を持つことを柱に掲げました。また、集落維持活動を円滑に進めるため、全戸が出資した小滝集落の「合同会社小滝プラス」を設立しました。
これからも、小滝を取り巻くあらゆる資源を活用して、この地で真の豊かさを感じながら暮らしを営んでいきます。
小滝地区紹介ムービー